小児はり灸について

はじめに

「家族」という存在には多くの矛盾と逆説が詰め込まれています。
というのも、家族とは〜便利であって不便、親密にして疎遠、多様にして単純、単純にして複雑、深遠に通ずる浅瀬、個別にして普遍、はかなくも不滅、神聖かつ下品、病の元凶にして癒しの器、人は家族のもとで成長し、家族のもとで退行します。人は家族ゆえに孤独を免れ、家族のために孤独になる。生きる上では必須のものだがなくても平気で生きていける、最大の喜びと最低の憂鬱さの源、誰もが嫌悪しつつ誰もが憧れる、倫理を生むと同時に諸悪の根源…つまり家族は絶望であって希望である。人間がそうであるように。〜これは斉藤環の言葉ですが、ナルホドと思いました。

その家族の中で行われていく子育て。もうそれ自体が大仕事です。家族も多様なら、夫婦も多様、そこに生まれてくる子どもも多様です。そうです、子育てって大変なんです。過去には子育てはたくさんの人の関わりの中で行われていました。それはそれで問題や辛いこともあったわけですが、やはり限られた少数で人間を育てるなんて、できることではないんです。悩むのも、理解できないことに出会うのも当たり前、ましてや一人で抱え込むなんて、本当に不可能なことなんです。

そういう私は、核家族で育った超扱いにくい子どもでした。カンシャク、大暴れ、弟への執拗ないじめ、先生や知人の前では優良児…という私に対して母は、相談する相手も見つからず夫にも頼れず、どうしていいのか困り果てて、本当は置いてくるつもりで私を相談所へ何度も連れて行ったと告白してくれました。

しかし当時の相談所はその機能を有しておらず、担当者が席を外したスキに見かねた看護士さんが「ここに来ても意味がありませんよ」と忠告してくれたこともあったそうです。時代は変わっていますが、そうです、相談する先も選ばなくてはいけません。

色々試してみること、参加してみること、様々なサポートを受けることを恐れないで下さい。合わなかったら辞めればいいのです。たくさんの人たちが様々な方法で手を広げて待っています。楽しんでOKです。大切なのは…怒ったり、喜んだり、思い悩んだり、悲しんだり、びっくりしたり、が全部あること。もしもどれかに偏った毎日だとしたら、それはサインです。心配しなくて大丈夫です。誰かの力を借りる時だと思ってください。


小児はり灸は、自然治癒力を高め、心と身体のバランスを取る治療です。

何がどう効いているのか、「交感神経の緊張を緩和する」「内臓体表反射」「大脳の異常興奮の抑制」など、様々な見解がありますが、大人の鍼灸と同じく、現代科学を駆使してもその効果の明確な理由は証明されていません。実は人体の仕組みも100%解明されているわけではないのです。しかし、鍼灸の診断による治療で、毎日元気な笑顔が増えています。自然治癒力を高め、心と身体のバランスを取る治療。人間には可能性がありますね。鍼灸が生まれた中国という国には謎が山盛りです。


治療法…大師流小児はりを使用します。

刺さないはりを使用します。大阪で生まれた鍼です。やさしくなでられているような感触です。必要な場合は、温灸としてテルミーをします。こちらは、ほんわかあたたかい温灸です。治療は、体表を診て適切な治療をしていきます。ひとりひとりオリジナルです。


適応症例には

夜泣き、カン虫症状(キーキー声を出す、ぐずる、かみつく、イライラする、怒りっぽい、機嫌が悪い、目を開けたまま眠る)、食欲不振、便秘、下痢、腹痛、咳、鼻水、鼻炎、肩こり、歯軋り、風邪をひきやすい、体力がない、熱を出しやすい、てんかん、夜尿、アトピー性皮膚炎、喘息など、病気予防にも。

生後6ヶ月〜6年生くらいまでが適応です。


治療期間


症状の強い時には、続けて数日
通常は、一週間に一回程度
軽い場合は、一ヶ月に一回

夜泣き、カン虫症状など、当然ではありますが程度があるので、それによって治療期間は変わってきます。その中で、夜尿、アトピー性皮膚炎、喘息などには比較的長期の治療が必要になることがあります。てんかんは、発作が起こりにくくなります。また、子どもには月の影響があると言われていて、実際、一ヶ月に一回は治療を継続していると、カン虫予防や病気予防になります。
また、カン虫のカンは「疳」と書きます。古代の人は、知っていたのかもしれません。実は、冷たいもの、甘いものはカン虫を悪化させます。寝る前や、治療中は特に控えていただけると嬉しいです。


悩み、迷い探しながら、真剣に向き合った時間分、深い喜びとなって巡ってくる時間があります。トラブルや痛みは、すんなりなおしてしまうのがもったいないほど、輝くギフトを内包していると感じることがあります。この今という時間を、ともに過ごすことができたら幸いです。


お子さんと一緒の保護者の方(おじいちゃんおばあちゃんも大歓迎!)へテルミー体験をお願いしています。親子でほっこりしませんか?





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